
リスボン|建築と現代アート好きにおすすめ!美術館2選
冬の穏やかな陽射しが差し込むリスボンで、どうしても行きたい…と思っていた美術館を訪れました。それが、隈研吾氏によって設計されたCentro de Arte Moderna(現代美術センター)とMAAT(Museum of Art, Architecture and Technology)です。どちらも興味深く、行ってよかったので建築と現代アート好きの方でリスボンに行くよ!という方はぜひ参考にしてみてください。
グルベンキアン美術館現代美術センター:ポルトガル近現代アートの殿堂







Centro de Arte Moderna(現代美術センター)は、カルースト・グルベンキアン財団が運営する美術館の一翼を担う施設です。1983年に開館したこの美術館は、20世紀から現代にかけてのポルトガル美術を中心に展示しています。
隈研吾氏による建築の魅力
美術館の建物は、世界的に著名な日本人建築家・隈研吾氏によって2024年に完全に再設計されました。これは隈氏にとってポルトガル初の完成プロジェクトであり、特別な意味を持っています。
隈氏は「自然と建築の完璧な融合」をコンセプトに、ランドスケープ建築家のウラジミール・ジュロヴィッチ氏と協働してこの空間を創り上げました。特に印象的なのは、日本の伝統的な住宅からインスピレーションを得た「縁側(Engawa)」と名付けられた美しいキャノピーです。この100メートルに及ぶ優雅な曲線を描く屋根構造は、建物と庭園を自然に繋ぐ役割を果たしています。
隈氏の設計は日本とポルトガルの要素を詩的に融合させ、建築と風景の流動的な関係を強調しており、訪れる人々に特別な体験を提供しています。内部は自然光を巧みに取り入れた明るい空間で、作品を鑑賞するのに最適な環境が整えられています。ミュージアムショップでも隈氏の本やポストカードは人気のようでした。
コレクションの特徴
ポルトガルの近現代美術の流れを時系列で追うことができる貴重なコレクションが展示されています。特に印象に残ったのは、20世紀前半のポルトガル絵画の展示でした。ヨーロッパの前衛運動の影響を受けながらも、独自の表現を追求した作家たちの作品は、ポルトガル美術の独創性を物語っています。
ミュージアムショップのセンスが抜群




1番いいな…と思ったのは、ミュージアムショップのセンスの良さ。美術館ならではのセンスを取り入れつつ普段使いしやすいものがセレクトされていてお店ごと買いたいと思ったほど。普段お土産をあまり買わない私でも、アレコレ購入してしまいました。
MAAT:未来を見据えた芸術・建築・技術の融合







MAAT(Museum of Art, Architecture and Technology)は、2016年にオープンした比較的新しい美術館です。テージョ川のほとりに位置するこの美術館は、その革新的な建築デザインでも注目を集めています。
印象的な建築美

建築家アマンダ・レヴェテによって設計された建物は、まるで波打つような曲線美が特徴的です。屋根部分は歩くことができ、テージョ川とリスボンの街並みを一望できる絶景スポットにもなっています。2月の澄んだ空気の中で眺める景色は格別でした。
美術鑑賞後の至福のひととき:MAAT Café & Kitchen

美術館の見学後、ぜひ立ち寄っていただきたいのが館内にある「MAAT Café & Kitchen」です。美術館内のMAATギャラリー棟にあるこのカフェ・レストランは毎日営業しており、テージョ川を望む絶好のロケーションにあります。
メルカンティーナ・グループが運営するこの融合レストランは、ナタナエル・シルヴァ シェフによる地中海料理のシグネチャー料理で知られています。川に面した全面ガラス張りの空間は開放感抜群で、美術鑑賞の余韻に浸りながら食事を楽しむことができます。
穏やかな午後、川面に映る光を眺めながらコーヒーを飲んだ時間は、リスボン滞在の特別な思い出となりました。美術館とカフェの組み合わせは、文化的な体験をより豊かなものにしてくれます。
多様な展示内容インタラクティブな展示

訪問時には、サステイナビリティをテーマにした企画展が開催されており、環境問題と芸術表現の関わりについて深く考える機会となりました。また、併設されている旧発電所(Central Tejo)も見学でき、産業遺産としての価値も感じることができました。
春のリスボン美術館巡りの魅力
冬のリスボンは観光客が比較的少なく、ゆっくりと美術鑑賞を楽しむことができました。気温も10〜15度程度と過ごしやすく、美術館間の移動も快適でした。
両美術館とも、ポルトガルの文化的アイデンティティを異なる角度から表現しており、訪問することでこの国の芸術文化の豊かさを実感できました。グルベンキアン現代美術センターで歴史的な流れを学び、MAATで現代と未来への視点を得る。この組み合わせは、リスボンの美術館巡りとして理想的なコースだと思います。
リスボンを訪れる際は、ぜひこの2つの美術館を訪問してみてください。きっと新たな発見と感動が待っているはずです。