PORTUGAL(ポルトガル)

リスボン|リスボアカードで巡る定番観光

ポルトガルの首都リスボンを訪れました。冬とはいえ、地中海性気候のリスボンは日中15度前後と過ごしやすく、観光地も夏ほど混雑していないため、じっくりと街を楽しむことができました。

今回の旅行では「リスボアカード(Lisboa Card)」を活用し、非常にお得に観光することができました。リスボアカードは、リスボン市内の主要観光地への入場料が無料または割引になり、さらに市内の公共交通機関(地下鉄、バス、トラム、ケーブルカーなど)が乗り放題になる観光パスです。24時間(22€)、48時間(37€)、72時間(46€)の3種類があり、今回は72時間パスを購入しました。定番中の定番スポットを巡った旅の記録をお届けします。

パステイシュ・デ・ベレン:本場のエッグタルトに舌鼓

リスボン観光の必須グルメといえば、やはりパステイシュ・デ・ベレン(Pastéis de Belém)。ベレン地区にある老舗パティスリーは、1837年創業の歴史ある店です。外はサクサク、中はとろりとしたカスタードクリームが絶品で、シナモンパウダーをかけていただくのが定番スタイル。店内は観光客で賑わっていましたが、夏に比べれば待ち時間も短く、ゆっくりと味わうことができました。

ジェローニモス修道院に行く前にOPENしているので、混み合う前に購入することで時間を節約できるのがありがたかったです。

ジェローニモス修道院:マヌエル様式の傑作

ベレン地区のハイライトは、なんといってもジェローニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)です。16世紀に建てられたこの修道院は、ポルトガル独特のマヌエル様式建築の最高傑作として知られています。

修道院の正面ファサードは圧巻で、海洋国家ポルトガルらしい船や海の生物をモチーフにした装飾が施されています。内部の回廊は特に美しく、繊細な石彫りと高い天井が作り出す空間は、まさに荘厳そのもの。2月の柔らかい陽光が差し込む回廊を歩いていると、時の流れを忘れてしまいそうでした。

修道院内にはヴァスコ・ダ・ガマの棺も安置されており、大航海時代のポルトガルの栄光を物語っています。リスボアカードで入場無料となるため、通常10€の入場料を気にすることなく、じっくりと見学することができました。

ベレンの塔:テージョ川に佇む要塞

ジェローニモス修道院から徒歩約10分、テージョ川のほとりに建つベレンの塔(Torre de Belém)は、リスボンのシンボル的存在です。1515年から1521年にかけて建設されたこの要塞は、かつてリスボン港を守る重要な役割を果たしていました。

塔の高さは約35メートルで、内部は5階構造になっています。各階を登りながら展示を見学し、最上階からはテージョ川とリスボンの街並みを一望できます。2月の澄んだ空気の中、対岸の景色まで美しく見渡せました。

塔の外観も見どころで、マヌエル様式の装飾が随所に施されています。特に南側のバルコニーから見る姿は絵になり、多くの観光客が記念撮影を楽しんでいました。こちらもリスボアカードで入場無料(通常6€)となり、お得に楽しむことができました。

発見のモニュメント:大航海時代への賛美

ベレンの塔から徒歩約5分の場所にある発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)は、1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念して建設された比較的新しいモニュメントです。高さ52メートルのこの記念碑は、まさに船の舳先のような形をしており、大航海時代のポルトガルの偉業を讃えています。

モニュメントの先頭にはエンリケ航海王子の像が立ち、その後ろにはヴァスコ・ダ・ガマ、バルトロメウ・ディアス、ペドロ・アルヴァレス・カブラルなど、33人の歴史上の人物が船乗りのように並んでいます。詩人のルイス・デ・カモンイスや宣教師のフランシスコ・ザビエルの姿もあり、ポルトガルの黄金時代を物語る壮大な彫刻群となっています。

リスボアカードで入場無料(通常6€)でエレベーターで展望台まで上がることができ、そこからはテージョ川とベレン地区を一望できます。モニュメント前の地面には巨大な世界地図のモザイクが描かれており、ポルトガル人が到達した世界各地の年代が記されているのも見どころの一つです。(この日は強風のためCLOSE)

アルコ・ダ・ルア・アウグスタ:コメルシオ広場を見下ろす凱旋門

市内中心部に戻り、バイシャ地区のシンボルであるアルコ・ダ・ルア・アウグスタ(Arco da Rua Augusta)を訪問しました。コメルシオ広場の北側に堂々と建つこの凱旋門は、1755年のリスボン大地震後の街の復興を記念して建設されました。


高さ30メートルの石造りの門は、新古典主義様式の美しい建築で、頂上には「栄光」を象徴する女神像が立っています。門の両側には、ポルトガルの歴史上重要な人物の彫像が配置されており、その精巧な彫刻は見る者を圧倒します。


リスボアカードで入場無料(通常3€)で展望台に上がることができ、そこからはコメルシオ広場とテージョ川の絶景を一望できます。2月の清々しい空気の中、リスボンの美しい街並みを見渡しながら、この街の復興の歴史に思いを馳せることができました。門をくぐってルア・アウグスタ通りに入ると、石畳の歩行者専用道路が続き、ショッピングやカフェ巡りも楽しめます。

グラサ展望台:リスボンを一望する絶景スポット

旅の締めくくりは、リスボンの数ある展望台の中でも特に人気の高いMiradouro da Graça(グラサ展望台)へ。アルファマ地区の丘の上に位置するこの展望台からは、リスボンの街並みを360度見渡すことができます。

2月の夕方、西日に照らされたオレンジ色の屋根瓦が美しく輝き、遠くにはテージョ川と4月25日橋も望めました。展望台には小さなカフェもあり、ビールやコーヒーを飲みながらゆっくりと景色を楽しむことができます。

特に夕暮れ時の景色は格別で、街に灯りが点り始める瞬間は思わず息を呑む美しさでした。寒さが厳しくなる前の2月なら、屋外での展望も十分楽しめます。

2月のリスボン旅行のすすめ

今回巡った定番スポットはどれも魅力的で、リスボンという街の多面的な魅力を感じることができました。特にリスボアカードの活用により、ジェローニモス修道院とベレンの塔の入場料だけで16€分が無料となり、さらに市内の移動もトラムやバスを自由に利用できたため、非常にコストパフォーマンスの良い旅行となりました。

リスボアカードは、他にも国立古美術館、カルモ教会、サンタ・ジュスタのエレベーターなど、多くの観光地で特典を受けられるため、効率よく観光したい方には強くおすすめします。

暖かい陽射しの中で歴史と文化に触れ、美味しいグルメも堪能できるリスボン。次回はもう少し長い滞在で、より深くこの街を探索してみたいと思います。次回は、別の都市にも行ってみたいな…と思いました。

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