
サンセバスチャン|バル巡りした5軒をレビュー
世界屈指の美食の街として知られるサンセバスチャン。2025年2月の肌寒い季節に、念願のピンチョス・バル巡りを実現してきました。スペイン北部バスク地方の小さな港町で過ごした時は、まさに「食」に魅せられた至福の時間でした。
サンセバスチャンと言えば、旧市街に100軒近くもひしめき合うバルと、カウンターに並ぶ色とりどりのピンチョス。地元の人々と観光客が入り混じって賑わう活気ある街の雰囲気に、到着早々から心を奪われました。
今回はネット検索で得た情報を参考に、評判の名店から隠れた逸品まで、5軒のバルを巡ってきました。どの店も個性的で、バスク地方の食文化の豊かさを存分に堪能することができました。
Kafe Goiz-argi|地元愛が詰まった老舗カフェバル オススメ




サンセバスチャンからビルバオへ戻る時間が迫る中、最後に向かったのがこの「Kafe Goiz-argi」。1937年創業の老舗で、朝は地元の人たちがコーヒーを飲みに、夜はピンチョスとワインを楽しみに通う、まさに地域密着型のバルです。
店内に足を踏み入れた瞬間、温かい木のぬくもりと地元の常連客たちの活気ある会話に包まれました。カウンターに並ぶピンチョスは、どれもシンプルながらこだわりを感じる逸品ばかり。特に印象的だったのは、新鮮なエビを使ったピンチョス(このお店のシグネチャー的ピンチョス)。口の中で旨味が広がり、地元産白ワインとの相性は抜群でした。
お店のスタッフは気さくで、片言の英語で「バスクの味はどうだい?」と話しかけてくれます。常連のおじいさんたちも外国人の私を温かく迎えてくれ、サンセバスチャンの人々の優しさに触れることができました。人気店のためOPEN直後や少し時間を外すのがオススメです。
住所: Fermín Calbetón, 4, 20003 Donostia, Gipuzkoa
営業時間: 8:00-24:00(日曜定休))
La Cuchara de San Telmo|行列必至の超人気店 オススメ




サンセバスチャンのバル巡りを語る上で絶対に外せないのが、この「La Cuchara de San Telmo」。1999年からピンチョスを提供している人気店で、地元客と観光客の両方に愛され続けています。
店の前には常に行列ができており、その人気ぶりがうかがえます。小さな店内は立ち飲み客でごった返していますが、それもまたこの店の魅力の一つ。ここでは全てのピンチョスが注文を受けてから調理される「作りたて」が売りです。
「豚のパリパリ焼き」は絶品。またリゾットは、深いコクのあるソースが口の中に広がります。バスク地方の食材を使った洗練された味わいに感動しました。2品とワイン1杯で約17ユーロと、この品質を考えれば破格の値段です。
住所: 31 de Agosto Kalea, 28, 20003 Donostia, Gipuzkoa
営業時間: 12:00-16:00, 19:30-24:00(月曜定休)
Bar Sport|サンセバスチャンを代表するアットホームなバル




旧市街の中心部にある「Bar Sport」は、サンセバスチャンの中でも知らない人はいないというほど知られた代表的なお店で、週末には人でで大賑わいになるそうです。
サンセバスチャンに到着次第、真っ先に向かったのがこちらの「Bar Sport」です。早朝ということもありお客さんが少なくゆっくりと食事を愉しむことができました。
ここでの一押しは「うに」と「フォアグラ」。事実、ほとんどの方が同じものをオーダーしていました。シンプルな料理だからこそ、素材の良さと作り手の技術が光ります。
地元の常連客との会話も弾み、サンセバスチャンの日常に触れることができる貴重な体験でした。リャコリ(バスク地方の地酒)を高い位置から注ぐパフォーマンスも見事で、味だけでなく視覚でも楽しませてくれます。日本人の中でも知名度の高いお店のため日本語メニューもありました。
住所: Fermín Calbetón, 10, 20003 Donostia, Gipuzkoa
営業時間: 11:00-16:00, 20:00-2:00(無休))
Gandarias Jatetxea|老舗の風格漂う格式高いバル




1964年創業の老舗「Gandarias Jatetxea」は、超人気店として知られ、キッチンの中休みがないため昼食時にも利用できる便利なバルです。格式の高い内装と落ち着いた雰囲気で、他のバルとは一線を画す存在感を放っています。
ここでいただいた「Txuleta de buey」(牛のステーキ)は、まさに芸術品。厚切りの肉は外側がカリッと焼かれ、中は程よいピンク色。バスク地方の高品質な牛肉の旨味が口いっぱいに広がります。付け合わせのピキージョ(赤パプリカ)も甘みがあって絶品でした。
価格は他のバルより少し高めですが、その分品質とサービスは申し分なし。特別な日や、少し贅沢をしたい時にぴったりのバルです。ワインセレクションも豊富で、ソムリエが料理に合わせて最適な一杯を提案してくれます。
住所: 31 de Agosto Kalea, 23, 20003 Donostia, Gipuzkoa
営業時間: 12:00-16:00, 19:00-24:00(火曜定休)
Bassk Cheesecakers|話題のバスクチーズケーキ専門店




バル巡りの締めくくりは、今や世界的に有名になったバスクチーズケーキの専門店「Bassk Cheesecakers」。2017年にオープンした比較的新しい店ですが、既にサンセバスチャンの新名物として定着しています。
焼かれた表面とクリーミーな中身のコントラストが美しいバスクチーズケーキは、一口食べれば虜になること間違いなし。外側の香ばしさと内側のとろけるような食感、そして濃厚でありながら後味はさっぱりとした絶妙なバランスが最高でした。
店内はモダンでおしゃれな内装で、若いカップルや家族連れが多く訪れています。テイクアウトも可能なので、宿泊先でゆっくり味わうこともできます。1ピース4.5ユーロとリーズナブルな価格も魅力的です。
住所: Aldamar, 12, 20003 Donostia, Gipuzkoa
営業時間: 10:00-22:00(無休)
サンセバスチャン美食散歩を終えて




サンセバスチャンで改めて感じたのは、この小さな街に凝縮された食文化の奥深さです。伝統的なバスク料理から革新的な現代料理まで、多様性に富んでいながらも、どの料理にも作り手の情熱と地域への愛が込められています。また現地ではグルメな街というよりリゾート地として有名だということに驚きました。
ビスケー湾の新鮮な魚介、バスクの豊かな山々で育った野菜や肉、そして何世代にもわたって受け継がれてきたレシピ。これらが現代の感性と融合することで、唯一無二のサンセバスチャン料理が生まれているのだと実感しました。
2月という観光オフシーズンでしたが、地元の人々の温かいもてなしと本物の味に触れることができ、逆に良いタイミングでした。春や夏の賑やかな季節も魅力的ですが、冬のサンセバスチャンにはまた違った魅力があります。
言葉の壁があっても、指差しとジェスチャーで十分コミュニケーションが取れるのもバル巡りの楽しさの一つ。料理を通じて人とのつながりを感じることができる、それがサンセバスチャンの最大の魅力だと思います。
次回は初夏の頃に訪れて、テラス席でリラックスしながらピンチョスとワインを楽しみたいと思います。美食の旅を求める全ての人に、心からおすすめしたい素晴らしい街でした。
スペイン美味しかったお店ランキング🥘
1. La Viña del Ensanche/bilbao
2. Gure Toki/bilbao
3. Goiz-Argi/donostia
4. La Cuchara de San Telmo/donostia
5. Fino Bar/barcelona
6. Ultramarinos Marín/barcelona
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